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2005年9月20日 (火)

サンパウロ出稼ぎ一家5人強盗殺害放火事件【ニッケイ新聞メルマガ版より】

事件の詳細です
日本では報じられない部分が多々あるので敢えて転載させていただきます

【BRASIL NEWS】ニッケイ新聞メルマガ版 166号 2005/09/17

※ニッケイ新聞は、ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されている移住者や日系人、駐在員向けの日本語新聞。紙印刷版は週5回発行。このメルマガ版は本紙記事の一部を使って、日本在住者向けに、ブラジルや日系社会に興味を持ってもらえるよう、編集し直したものです。

==■コラム「樹海」■==
 週末に聖市で起きたデカセギ家族五人殺害事件はまれにみる残虐なものだ。しかも、目前に五十周年式典を控えたコチア青年の一人とは――。米倉貞さんら家族五人は一晩がかりの拷問のすえ殺された。言葉にならない怒りと悲しみを覚える。▼土曜早朝、娘と一緒に息子夫婦が十一カ月の赤ちゃんを連れて日本から一時帰国した。六年もデカセギした息子や娘から、いろいろな日本での苦労話などを聞き、米倉さんも久々の家族団欒を楽しんだだろう。待ちに待った再会だ。息子が時差ぼけの頭を治そうと早めに床についたあと、その晩に二人組の賊が侵入した▼五千ドルの現金をとるだけでは飽き足らず、家族全員を電線で縛り上げ、タバコの火を押し付けて消したり、棒で殴ったりする拷問までして執拗に「銀行の金をよこせ」と要求した。犯人の一人を、目隠しをされた米倉さんが声で判別して名前を言い当てために殺されたという。容疑者は息子の幼なじみ。付近で守衛をやっており顔見知りだった▼この事件は日系社会に大きな警笛を鳴らした。特に空港からの帰りは要注意だ。犯行前日の金曜日に「息子はいつ帰るのか」と問う匿名電話があった。周囲の人に、家族が日本に行っていると安易に漏らしてはいけない。日本で稼いできたなどと、口が裂けても自分から吹聴してはいけない。今回、伯字紙やテレビで大々的に報道されたことで、さらにデカセギ狙いが増える可能性すらある。しかし、いまどき親族に一人もデカセギのいない家を探すほうが難しいか。 (深)

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★日系社会
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■日系一家5人を殺害=デカセギ金目当てか=血まみれの乳児は救出
9月13日(火)

 十一日午前、サンパウロ市東部ヴィラ・ノヴァ・クルサー区ガツラモス街、年金生活者ヨネクラ・タダシさん宅で一家七人が頭などを銃撃された血まみれ姿で発見され、うち五人が死亡した。ヨネクラさんは戦後移住者。犯人は二人組の男で、前日にヨネクラさんの子供二人が出稼ぎ先の日本から一時帰国していたことから、現金目当ての犯行だったと見られる。十日午後八時ごろ同宅に侵入した犯人は、約十二時間にわたって一家に暴行を加え続けた後、五千ドル(約一万千五百レアル)を奪い、家屋に火をつけて逃走した。

 「デカセギの家族が拷問を受け死亡」「強盗目的で拷問し五人を殺す」――。ヨネクラさん一家惨殺事件を大きく報じたサンパウロの有力各紙によると、隣家に住む女性がヨネクラさん宅から煙が上がっているのを見て通報、駆けつけた軍警、消防員が発見した。
 タダシさん、フタバさん夫妻の他、居合わせた子供のファッチマ・サユリさん(31)、ニウトン・タカシさん(26)が病院に運ばれ、死亡。同じく子供のウィリアム・ジュンさん(29)は一命を取り留めたが、妻のエリカ・アケミ・ミヤモトさん(28)は頭を撃たれており、庭先の車中で死亡していた。 また、エリカさんの膝の上に抱かれ、血まみれで救出された十一カ月の男児は、無傷だった模様。
 サンパウロ総領事館ではヨネクラさんを戦後移住者と特定。在留届は確認できているとしながらも、日本の親族やウィリアムさんの了承を取り付けた後でなければ、詳しい素性は公表できないとしている。
 現場は二階建ての家で、ヨネクラさん夫妻は二階の部屋で体をしばられた姿で発見された。軍警が駆けつけたときはまだ息があったものの、身体は焼き焦げ、傷口が確認できないほどだったという。
 犯人は現金五千ドルを奪い、家中の金品を物色した上で、一家に対し長時間暴行を加え続け、階段通路を家具でふさいで放火し、十一日午前九時ごろ、バイクで逃走したという。
 当局は犯人二人の似顔絵を公開。ウィリアムさん、ニウトンさん兄弟が事件のあった十日朝に帰国している点を重視し、空港から足取りをマークされていたか、あるいはヨネクラさん一家に日本で働いている人がいるという身内の事情を知る者が事件の背後で関わっている可能性があるとみて、捜査を進めている。

■容疑者の男を逮捕=葬儀は厳重な警備で
9月14日(水)

 サンパウロ市東部で十日から十一日にかけてヨネクラさん一家五人が虐待を受けて死亡した事件で、捜査当局は十二日までに容疑者の男(26)を逮捕した。
 職業は警備員と話す男は無罪を主張しているが、調べでは、ヨネクラさん一家と以前から面識があったとみられ、東部ヴィラ・ノヴァ・クルサー区のヨネクラさん宅付近に家族が住んでいるという。
 捜査当局では、もうひとりの容疑者の男(推定二十八歳、身長百七十五センチ、混血)の似顔絵を公開し、行方を追っている。
 また、殺された長野県出身の戦後移住者ヨネクラ・タダシさんは「米倉貞」さんで、第一次十回コチア青年として一九五七年九月十二日にさんとす丸で来伯していることが分かった。

■「なんで私たちに…」米倉さん一家殺害=容疑者はかつての隣人=葬儀で泣き崩れる知人ら
9月15日(木)

 聖市東部で十日に起きた米倉さん一家殺害事件。逮捕された容疑者はかつての隣人だった。
 神奈川県で働いていた娘のファッチマさん(31)と、息子のウィリアム・ジュンさん(29)、アケミ・エリカさん(28)夫妻が六年ぶりに一時帰国した、その日に起こった悲劇だった。犠牲となった米倉貞(ただし)さん(68)、フタバさん(64)夫妻にとっては日本で生まれた孫との初めての対面だった。
 十二日に逮捕されたリカルド・フランシスコ・ドス・サントス容疑者(26)は、殺害されたニウトン・タカシさん(26)の子供の頃の友人だった。三年前に引っ越している。入院中のウィリアム・ジュンさんの証言によれば、貞さんは容疑者が誰か分かっていたようだ。監禁中、「リカルド、どうして私たちにこんなことをするんだ?」と問いかけたという。
 聖市カポン・レドンドのリカルド容疑者の家からは、フタバさんが描いた絵が発見された。
 もう一人の容疑者、セウゾ・アレンカール・ドス・サントス(33)は現在も逃亡を続けている。警察では、このほかにも二人が事件に関わっているものと見て捜査を進めている。
 一命をとりとめたウィリアムさんは警察の護衛の下でいまも入院している。聖市警殺人犯罪・人身保護担当課(DHPP)は十三日夜の会見でセウゾ容疑者の手配写真を公開した。
    ▽ ▽ ▽
 十三日午後、フタバさんの親族により聖市内のノーバ・カショエイリーニャ墓地で、米倉さん一家の葬儀が執り行なわれた。親族、知人のほか、米倉さんの同船者など約七十人が参列した。コチア青年連絡協議会からは、永山八郎元会長が協議会を代表して出席した。
 ウィリアムさんの妻、エリカ・アケミさんの遺体は親族の住むパラナ州アシス・シャトーブリアンで埋葬され、この日は仏式による四人の葬儀が営まれた。
 寒風が吹きつける曇り空の下、葬儀は執り行なわれた。墓地内の礼拝堂前に貞さんと妻のフタバさん、ファッチマさん、ニウトン・タカシさんの四人の棺が並ぶ。
参列者一人一人に線香が渡され、僧侶の読経が響く中、犠牲者に手を合わせた。焼香の後、関係者の手で棺が車に運ばれ、墓地へ向かった。
 サンパウロの町を見下ろす高台の墓地。車から降ろされた棺が一つ一つ、地中に埋葬される。その間、ただ泣きつづける若い女性の姿があった。参列者は再び焼香し、犠牲者の冥福を祈った。
 米倉貞さんは長野市の出身。コチア青年一次十回のさんとす丸で一九五七年九月十二日に渡伯した。
 葬儀に参列した神林義明さん(69)は同じコチア青年として、米倉さんと同じ船でブラジルに渡る以前からの交友だった。
 二人はともに長野県出身。千曲川をはさんだ長野市と須坂市で暮らしていた。渡伯する以前に福島県で行われた研修にも一緒に参加した。
 渡伯後、米倉さんはヴァルゼン・グランデ・パウリスタで農業に従事。独身の頃、一時は聖市近郊で農業を営む神林さんの家に滞在していたこともあるという。米倉さんはその後、日系進出企業で長年働き、六十歳代の前半で退職。以後は年金生活者として日を送っていた。
 ここ二年ほどは、県連主催の日本祭会場で会うくらいで、頻繁な交流ではなかったという。「おとなしい性格でした」。埋葬後、目を赤く腫らし、神林さんは友人の死を悼んだ。
 米倉さんと同船でこの日の葬儀に参列したマウア市在住の女性は、「いつもニコニコした人でね」と、その柔和な人柄を語り「そんな人がこんなことになるなんて」とやりきれない思いをにじませた。

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