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2008年4月 7日 (月)

痛ましい事件から早1ヶ月

K_img_render三重県で1ヶ月前に起こった痛ましい事件
人々の記憶から風化してしまうことを懸念して
このブログにて紹介させていただきます
(写真は記事に登場の田辺てるさん)

夫の死 止まった時間

◇◆津の万引き逃走 2容疑者起訴◆◇
 津市津興のマックスバリュ垂水店の駐車場で、万引きを見つかり逃げようとする女の車に買い物客の男性がはねられ死亡した事件で、津地検は25日、運転していた女ら2人を強盗致死傷罪などで起訴した。
 起訴されたのは、ともにブラジル国籍で、津市香良洲町、派遣社員ナダイ・カリンカ・アケミ・ヤナギタ容疑者(32)=強盗致死傷罪=と名古屋市港区木場町、無職ダ・シルバ・ロシアネ・ケイコ・ミヤカワ容疑者(28)=窃盗罪。
 同地検によると、死亡した津市神戸、無職田辺三千夫さん(78)は車を止めようとしていたと見られ、ヤナギタ容疑者は「人が倒れているのは見えなかった」としながらも「何かをひいたという認識はあった。人かも知れないと思った」と供述しているという。
 起訴状によると、両容疑者は4日午後1時半ごろ、同店で食料品など78点(約2万円相当)をカートごと万引き。ヤナギタ容疑者は田辺さんが運転席側のドアをつかんでいることを知りながら車を後退で急発進し、前進した際、路上に転倒した田辺さんをひいて死亡させ、警備員の女性(56)にも腰などに軽傷を負わせたとされる。

○●妻「今でも戻ってくる気がして…」●○
 「今でも、あの人が戻ってくるような気がして……」
 死亡した田辺三千夫さん(当時78)は、市営住宅で妻てるさん(75)と2人暮らしだった。てるさんは、今も夫の死を信じられないでいる。
 てるさんは足が不自由で、田辺さんが日頃から買い物やごみ出しなど、身の回りの世話をしていた。台所には、1人で外出できない妻がいつでも食べられるようにと、田辺さんが買いためておいた即席ラーメンやみそ汁、味付けのり、みかんの缶詰などが積まれたまま。そこだけ時間が止まったかのようだ。
 田辺さんは心臓が悪く、10日間ほど入院して退院してきたばかりだった。
 「もう、寂しい、寂しい。話し相手がおらんということは、ほんまに寂しいもんですな。あの人は、親切やったから、身の回りのことを全部してくれた。こんな別れになるとは思わなんだわ」
 遺骨を前に、てるさんは泣き笑いのような表情になった。「これから、どないして生きていけばええのか」。足腰が強く外歩きが好きだった夫。「そりゃあ、ええ組み合わせでしたわ」。あと数年で結婚50年の金婚式というところだった。
 事件の朝。てるさんはいつものように夫を見送った。「ほんまに死んだん?」。夕方、自宅に詰めかけた報道陣らから聞いた突然の訃報(ふほう)に、何度も何度も繰り返した。
 食事がのどを通らず、親族に任せて火葬場にも行かなかった。「けんかをしたことがない」「いやな思い出はない」。思い出すのは、流しで米をとぐ夫の後ろ姿だ。「運命やと思って、あきらめなしゃあない」。自らに言い聞かせるように言う。謝罪に来た容疑者の親族にも、恨み言は一切言わなかった。
 夫は逃げようとする容疑者の車に、警備員らと一緒につかまっていてはねられた。「そんなん、ほっといたらよかったのに。自分の命の方が大事やのに」。でも、「あの人はええことをしようとしたわけやな。あの人は、そういう人や」。そう言うと、救われたような表情になった。(多田晃子)

朝日新聞、 2008年03月26日

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