北京での荒木の活躍に期待
プロ野球球宴:全セが打ち勝ち全パに雪辱 MVPは荒木
プロ野球のマツダオールスターゲーム第2戦は1日、横浜スタジアムで行われ、全セが11-6で全パに打ち勝ち、サヨナラ負けした第1戦の雪辱を果たした。全セは通算成績を68勝74敗8分けとした。最優秀選手(MVP)は3安打3打点の荒木雅博(中日)が初めて受賞した。シリーズを通じて活躍した選手に贈られるマツダビアンテ賞には、2試合にわたり5打席連続安打を記録した内川聖一(横浜)が選ばれた。
○全セ11-6全パ●
全セが19安打11得点の猛攻で大勝。1点を追う三回、井端の適時二塁打などで2点を入れ逆転。四回は荒木の適時打で2点を加え、五回は打者一巡の攻撃で7安打を集中し、一挙6点で試合を決めた。全パは大松が2打席連続本塁打と気を吐いたが、3番手・成瀬が8失点の大乱調。六回以降は日高の2ランのみに抑えられた。
▽全パ・稲葉 (故障をおしながら2試合とも出場)生きてる球を緊張感のあるなか見られたのは大きい。五輪に向け、いい準備になった。
▽全パ・岩隈 まっすぐを思い切り投げた。(後半戦は)全部勝つつもりで投げていきたい。
▽全セ・村田 前半戦の疲れがあったり、いろんな意味で気が張ったままプレーしていたので(球宴は)リフレッシュになりました。気持ちよく日本代表に入れます。
▽日本代表・星野監督 (田中は)あのままの腕の振りができていれば問題ない。どこが痛いという感じもなかったしね。あとはあしたの様子だけだね。
▽オリックス・日高 (クルーンの161キロの直球を2点本塁打)スピードガンは気にしていなかったが、松中の打席を見て速いなと思った。強振しないようにだけ心がけた。
○…パ・リーグ3番手として登板したロッテ・成瀬は、目前の北京五輪に向け大きく課題が残る内容だった。「どこに投げても打れた」と話すように、制球が甘く、2回で被安打11、失点8といずれもオールスターのゲームワースト記録を更新した。五輪での活躍が期待される左腕だけに、修正は急務。成瀬は「(今日で)悪いところは出た。あとは上がるしかない」と、何とか気持ちを切り替えていた。
○…松中(ソフトバンク)が二回、先制の本塁打をバックスクリーンにたたき込んだ。セの先発、中日・川上が投じた148キロの内角低めの速球に、体が素直に反応し、バットがスムーズに出た。松中自身、「久々に完ぺきな当たり。川上君からだし、うれしい」と自画自賛する一打だった。前夜の第1戦は九回代打で登場し、同点打を右前に放ち、サヨナラ勝ちを演出。連夜の活躍に笑みが絶えなかった。
○…全セの先発は北京五輪でも活躍が期待される中日・川上。一回は無安打に抑えたが、二回にソフトバンク・松中に中越え先制ソロを浴び、「やられました。あそこまで飛ばされると気持ちいいですね」と脱帽した。この日、「特に頑張った」というのが、元同僚で第1戦MVPの楽天・山崎武との対戦。速球で押して右飛に打ち取り、中日のエースの面目を保った。
○…ベストピッチャー賞に輝いた阪神・藤川は北京五輪を見据えた登板になった。九回1イニングを3者凡退で締めたが、全球ストレートにはこだわらず、「ちょっと感覚が鈍っていたので」と変化球も交ぜての投球。「真っすぐはシュート回転していた」と反省点も挙げた。ただ、体調は良好と強調し、「(五輪では抑えなど)どこを任されるか分からないけど、いろんなところで対応したい」と話した。
○…右肩痛で戦列を離れていた楽天・田中が六回、全パの4番手で登板。試合前には、「(肩は)大丈夫です。バッチリ」と自信をのぞかせていたが、言葉通りの快投を見せた。先頭の和田を148キロの直球で投ゴロに仕留めると、村田もスライダーを引っかけさせて投ゴロ。内川に右前打を許したが、この打席では最速の152キロをマーク。続く代打・前田智を150キロの直球で右飛に打ち取り、完全復活を強烈にアピールした。テレビ観戦した日本代表の星野監督も「あのままの腕の振りが出来ていれば問題ない」と一安心していた。
○…横浜・内川が地元・横浜スタジアムをわかせた。第1打席の内野安打に続き、中、左、右と広角に打ち分けた。第5打席は二直に終わったが、第1戦の最終打席から通じて5打席(打数)連続安打。一つのシリーズでの5打数連続安打は、01年のペタジーニ(ヤクルト)の6に続き、93年の和田(阪神)、00年のイチロー(オリックス)と並ぶ史上2位タイの快記録だ。「オールスターに限ったこととは言え、3000本安打した人と並んでうれしい」と内川。1試合4単打もオールスターのタイ記録で、「ホームランを打ちたかったけれど、シングルヒット4本も僕らしい。勢いを付けてチームに帰りたい」と後半戦に向けて意欲を燃やしていた。
○…ソフトバンク・柴原の出場辞退で、直前の先月29日に急きょ、球宴初出場が決まったロッテ・大松が2打席連続本塁打。今季はリーグ2位の72打点を挙げているが、球宴では「周りはすごい打者ばかり」と、よく観察することに努めた。「共通しているのは、失敗を怖がらずに振っていくこと」。それを参考に失敗を恐れず、バットを振り抜いた結果の2本のアーチに、「少しはボクの名前、覚えてくれたかな」と満面の笑みだった。
○…ヤクルトの宮本は試合が終わった瞬間から「嫌な気持ちになった」という。この先、北京五輪の日本代表主将としての日々が始まる。「またしんどいんだろうな」。過去の国際大会での経験がよみがえった。
同じく日本代表で、8失点の成瀬のことを「心配で、心配で」とおもんぱかった。その一方、「まだ調整期間があるから、絶好調より不安があった方がいい。その方が集中して緊張感も出る」とプラス指向でとらえようともしている。
2日からスタートする日本代表の合宿。「チームみんなで、一致団結する環境を作りたい」。代表主将としての顔で、言葉を結んだ。
(毎日新聞 2008年8月1日)
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