不況知らず?日系人モデル産業
日系10代モデル 引っ張りだこ
エキゾチックな容姿を生かし、10代のモデルとして活躍する日系ブラジル人の少女が東毛地域で増えている。日系ブラジル人専門のモデル事務所も盛況。物おじしない性格と、不況風も吹き飛ばすような陽気な雰囲気が受けている。(滝沢隆史)
2月28日、都内のホテルで開かれた「神戸コレクション2009」。人気モデルのマリエさんや、タレントの木下優樹菜さんらが出演した国内最大級のファッションショーに、邑楽町に住む鈴木イザさん(15)がウエディングドレス姿で登場した。
手足が長い細身の体形で、身長は170センチ。5年ほど前、地元の夏祭りで東京のモデル事務所にスカウトされ、10代のファッション誌を中心にモデルをするようになった。今月、町立邑楽中学校を卒業したばかりだ。
大きなファッションショーの仕事は初めてだったイザさんは「すごく緊張したけど楽しかった。将来もモデルとして活躍したい」と夢を膨らませる。
もともと、ブラジルはジゼル・ブンチェンを始め、世界が認めるスーパーモデルが多数生まれた国。イザさんの母親ジルさん(36)もブラジルでモデル経験があり、「小さいころから男の子はサッカー選手にあこがれ、女の子はモデルを目指して美しさを磨く」という。
太田市にある日系ブラジル人専門のモデル事務所「blue―D(ブルーディー)」には、モデルを夢見る少女たちが集まってくる。「日本の社会で活躍できる日系人を育てたい」と、太田市の写真家三沢幸生さん(46)とジルさんが4年前に設立した。「不況の影響はほとんどない」
登録料や会費は一切不要。ブラジル人学校などでスカウトして東京のモデル事務所に売り込むのが三沢さんらの仕事で、ギャラの一部を成功報酬として受け取る。太田市や大泉町、伊勢崎市などに住む14~18歳の10人が所属し、多い月で25万~30万円の収入を手にする少女もいるという。
3年前にジルさんがスカウトした大泉町の西山恵子さん(15)は日系4世で、10年ほど前に来日した。名古屋市に住むいとこがモデルをしていたため、この仕事に興味を持った。
通信販売のカタログやファッション誌のモデルをこなし、月に2、3回は上京する。「自分を表現するのが楽しい。将来は、映画やドラマにも出演できるような女優になりたい」と話す。
02年に来日した太田市の日系3世サントス・カチエリさん(14)は、昨年入ったばかりの新人。「モデルは小さいころからの夢。ナオミ・キャンベルのようなスーパーモデルにあこがれます」。将来のモデルデビューに思いをはせる。
日系人らが所属する東京・南青山のモデルプロダクション「FLOS」の落合悦子代表は「ハーフの子は人気が高い。陽気な国民性からか日系ブラジル人の少女たちには照れがなく、日本人にはない独特の表現力を持っている」と高く評価している。
(朝日新聞【群馬】 2009年03月26日)
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